オブジェクトトランスフォーメーション〜身のまわりのモノになりきってみよう〜
子供たちは、身のまわりのモノ(オブジェクト)になりきってみます。この活動を通して、自分自身をみつめること、モノへの変化を体験することによって想像性や創造性をかきたてること、人間に感情や性格があるように、生命のない物体や建物やまちも感情や性格を持っているということに気づくことをねらいとしています。
ステップ1 コスチュームをつくる
身のまわりから「自分を表すモノ」を選んで、そのものになりきって、紙で身につけられるようなコスチュームをつくります
自分を表すモノになりきってコスチュームをつくります
2002年沖野小学校4年「「沖野を紹介する雑誌を作ろう~変身したよ~」
ステップ2 家族を見つけてインタビューをする
コスチュームを身につけている全員の中から、共通点をさがして家族になります。
すべてのモノが家族をみつけることができたあと、選んだモノ、選んだ理由、どこにいるのか、いつ生まれたのか、友だちは誰か、好きなものは、嫌いなものは、何が得意か、何が怖いか、などとお互いにインタビューしあい、それぞれ相手が答えたことをメモに書きます。その後、書いたメモをインタビュ―した相手と交換します。
家族でインタビューしあいます
2002年沖野小学校4年「「沖野を紹介する雑誌を作ろう~変身したよ~」
「定禅寺通の快人」(パフォーマンス:ブルースウイットレッドさん)から、「まちのなかで気に入ったものを見つけて変身し、その立場になりきって考えてね」とお願いされた子供たち
快人と一緒に定禅寺通をたんけんしました
このワークショップは県民会館で公演されていた「オペラ座の怪人」にちなんで行われました
2001年仙台市街並みデザイン課等主催「定禅寺通の快人になろう」
出典:©City Building EducationTM
応用編“なりきりカード”でいろいろな立場になってみよう@芦口小学校5年生「自然とともに生きていき隊」
芦口小学校5年生は、都市計画道路により、学校に隣接して流れる金洗沢と校庭の一部が削りとられ、金洗沢のほとんどが道路の下の見えない川になってしまうことを知り、大きなショックを受けました。そして、金洗沢を残したいと、わずかに残る金洗沢と校庭を利用してビオトープを作ろうと立ち上がりました。子供たちは、金洗沢を詳しく調査し、バブルダイアグラムを描きながらどんなビオトープが良いのかを考え、そのアイデアを模型にしました。子供たちは、バブルダイアグラムを描くにあたって、コスチューム作りの代わりに、なりきりカードを使って、ビオトープを利用する微生物や虫や魚や鳥などの生き物たち、学校、地域住民の立場になって考えました。
なりきりカードの質問例
微生物:食べ物はあるか、水はあるか、日光が当たるか、分裂したり子を産めるか、天敵はいるか、ふえすぎないか、ずっとここで生きていけそうか、ここで楽しくなりそうか
鳥:食べ物はあるか、水飲み場や遊び場はあるか、うんちなどしても大丈夫か、休むところはあるか、巣を作れるか、卵を産むところはあるか、天敵はいるか、かくれるところはあるか、近寄りたくないと思うものやきらいなものはないか、遠くからでもここに来れそうか、ここで楽しくなれそうか、他に気づいたこと
地域住民:幼児や老人も安全にいけるか、水辺は安全か、危険な動物や虫はいないか、腰をおろして休む場所があるか、雰囲気はいいか、変な事件は起きないか、水遊びをしたりできるか、ゴミはふえないか、すぐにこわれたりしないか、近所のじゃまにならないか、思い出に残る場所になりそうか
なりきりカードを使って、模型の改善点をチェックしました
沢にかけた2つの観察橋を巡り、「鳥を見たいから2つほしい」という人間の立場と、「怖くて寄りたくないから1つでいい」という鳥の立場で意見がぶつかり、話し合いの結果1つだけにしていろいろな角度から見えるような構造にすることになりました
1998年芦口小学校5年生「自然とともに生きていき隊」