未来のまちをデザインしよう
市長さんは、まちづくりに子供たちのアイデアを生かしたいと考えています。そこで、子供たちに、未来の自分たちのまちをデザインしてほしいとお願いしました。子供たちは、まちにいるものやいらないものなどのまちの基準をつくります。そして、市長や区長などを選んで市議会をつくり、市議会で話し合いながらまちをデザインしていきます。模型が完成したら市長さんに発表しましょう。
この活動で、子供たちは、まちにはいろいろな年齢、いろいろな立場の人、生き物たちが暮らしていることを考えながらまちをつくっていく必要があることや、まちをつくるプロセスで生じる様々な問題を協力し合いながら解決していくことの大切さなどを学んでいきます。
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ステップ1 地形模型をつくる(スタッフによる準備作業)
はじめに、都市計画図を拡大して、まちをつくる土台となる地形模型を縮尺1/250~1/300で作ります。模型は、あらかじめ決められたグループ数(5~6人/1グループ)に応じて、60㎝四方のパーツに分けて、押し出し発泡スチレン板40㎜でつくります。
地形模型には木工ボンドを塗り、その上にシーナリーパウダーを振ります。主要な道路や川などは、アクリル絵の具を塗ります。樹木は、何度でも植えかえができるように、針金と花紙で作ります。
縮尺に合わせた紙で作った住宅の模型をグループの数だけ準備します。

高低差がある場合は、発泡スチレン板25㎜を重ね、ずれないように脇をガムテープでとめます
1997年片平丁小学校6年「片平・チャペラル未来のまちづくり~片平地区の模型をつくろう~」

まちをたんけんして気に入ったものなどをさがしてカメラで記録しよう
2002年南小泉小学校6年「地下鉄東西線プロジェクト~歴史や伝統のよさを生かしたまちをデザインしよう~」

いるものリストにまちが合っているかを子供たちにたずねるドリーン・ネルソン先生
1996年「まちづくり教育ワークショップIN仙台」

市長を中心に市議会で問題点を調整します
2000年東六番丁小学校5年「デザインしよう!未来の宮町」

●ステップ2 まちをたんけんする
まちに出かけ、五感を使ってまちをたんけんします。たんけんしながら、気に入ったものや、気になるもの、残したいもの、変えていきたいものなどをさがします。見つけたら、写真やメモに記録します。
地域の人たちにまちの歴史や、 まちへの想いなどお話をうかがいましょう。
●ステップ3 専門家の話を聞く
都市デザインの専門家をお招きして、日本や外国の都市の実例を見せてもらいながら、都市のデザインで大切にしたいことや、工夫していることなどのお話を聞きます。
●ステップ4 まちの基準をつくる
まちづくりの基準をつくって全員で共有します。
まちにいるもの、いらないものを話し合い、ポストイットに書いて掲示します。
いるもの:
住宅、病院、お店、水、木、交通手段、古い建物、クリーンエネルギーなど
いらないもの:
ゴミ、公害、自然破壊、犯罪など
2002年の南小泉小学校では、「緑を豊かにする」「水路を生かす」「たい肥センターや学校田によるリサイクルの輪を作る」「祭りを復活させる」など、具体的なまちづくりのアイデアをまちの基準としています
●ステップ5 組織をつくる
市長、区長、まちづくり委員(交通、住宅、商店、緑、景観、歴史、健康、教育など)を選び、市議会をつくります。模型作りはブロックごとに行うため、まち全体として様々な問題が出てきます。たとえば、設定した人口をどこにどう住まわせるのか、道路がつながらない、住宅が足りないなどです。そんなとき、市議会を開催し問題点を調整します。市議会は、みんなの合意が図れるまで随時開催します。
●ステップ6 ブロックごとに模型をつくる
子供たちは、一人ひとり市民となり、ブロックごと(5~6人/1ブロック)にまちの模型をつくります。市民のなかで、市長や区長、まちづくり委員になった子供たちは、その仕事も兼ねることになります。
●ステップ7 模型を合体する
ブロックごとに作られた模型を合体し、基準と照らし合わせたり、つながりをみたりして、問題があれば修正します。
●ステップ8 完成模型プレゼンテーション
完成した模型を、保護者や地域の方々の前で発表します。
仙台とヘルシンキの子供たちが未来のまちをデザインしました
ブロックごとにまちをつくっています
1997年「仙台・ヘルシンキ都市セミナー~仙台ヘルシンキこども会議~」
